2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,510名(単体) 11,134名(連結)
  • 平均年齢
    42.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.1年(単体)
  • 平均年収
    8,144,945円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

メディカル・ヘルスケア事業

327

  (346)

スマート事業

255

   (40)

セイフティ事業

4,519

  (222)

マテリアル事業

729

   (44)

エンジニアリングプラスチック事業

2,941

  (270)

報告セグメント計

8,771

  (922)

その他

1,002

  (263)

全社(共通)

1,361

  (218)

合計

11,134

(1,403)

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時従業員に派遣社員は含んでおりません。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

2,510

42.2

16.1

8,144,945

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

メディカル・ヘルスケア事業

118

  (10)

スマート事業

120

  (10)

セイフティ事業

300

 (30)

マテリアル事業

513

 (32)

エンジニアリングプラスチック事業

127

 (22)

報告セグメント計

1,178

 (104)

その他

42

 (6)

全社(共通)

1,290

(217)

合計

2,510

(327)

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時従業員に派遣社員は含んでおりません。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合の有無にかかわらず、当社を含め各グループ企業の労使は相互理解を基調に円満な関係にあります。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社および

連結子会社

管理職に占める女性労働者の

割合

男性労働者の

育児休業取得率

労働者の男女の賃金の差異

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

提出会社

5.6%

89.8%

78.2%

80.0%

59.1%

ポリプラスチックス㈱

6.4%

90.9%

72.6%

71.8%

48.6%

ダイセル新井
ケミカル㈱

0.0%

100.0%

82.5%

78.5%

89.8%

ダイセル物流㈱

0.0%

100.0%

74.0%

84.3%

52.4%

ダイセル・セイフティ・システムズ㈱

0.0%

33.3%

64.0%

77.8%

76.8%

 

(注) 1 「管理職に占める女性労働者の割合」、「労働者の男女の賃金の差異」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

2 「管理職に占める女性労働者の割合」は正規雇用労働者を対象とし、出向者を出向元の労働者として算出しております。

3 「男性労働者の育児休業取得率」は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

4 「男性労働者の育児休業取得率」は、出向者を出向元の労働者として算出しております。

5 「労働者の男女の賃金の差異」は、海外に駐在している労働者を除いて算出しております。

6 「労働者の男女の賃金の差異」は、出向者を出向元の労働者として算出しております。

7 「労働者の男女の賃金の差異」は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、当社は、職群及び等級により異なる賃金水準を設定しております。男女では職群及び等級毎の人数に差があるため、賃金において差異が生じております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) サステナビリティ全般

 ①ガバナンス

当社グループでは社長を委員長とするサステナブル経営委員会(通常3回/年)を設置しています。

当委員会では、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)について経営レベルでの議論を行うとともに管理を行います。

取締役会はマテリアリティに関連するKPI(重要業績評価指標)の進捗状況など、サステナブル経営委員会からの定期的な報告を受けることにより、当社グループのサステナビリティ推進状況を監督します。

2023年度は計3回サステナブル経営委員会を開催し、主に気候変動への対応、循環型社会構築への貢献認定制度、GHG排出量削減の取り組み、CFP(カーボンフットプリント)算定などについて討議し、その内容について取締役会で報告いたしました。

引き続きサステナビリティに関連する課題の解決、取り組みのレベルアップに向けて歩みを進めていきます。

 

サステナブル経営体制図


 

当社グループは、価値共創によって人々の幸せを実現するという基本理念のもと、サステナブル経営方針に基づき、事業活動を行っています。中期戦略『Accelerate 2025』の策定にあたり、その実現を促進するマテリアリティを特定しました。今後も、事業活動を通じたサステナブル社会の実現を目指していきます。

 

・マテリアリティ特定の背景と考え方

サステナブル経営方針の製品(Product)・製造プロセス(Process)・働く人(People)の3つの観点から、社会課題の解決に対して当社グループの強みを生かしてどのような貢献ができるかを考えるとともに、安全・品質・コンプライアンスなどの最重要基盤に関する項目も取り上げました。

 

 

・マテリアリティ特定プロセス


ステップ1 社会課題の抽出

国際的なガイドライン、SDGs、国連グローバル・コンパクト原則、業界団体ガイドラインを参照し、当社グループが取り組むべき課題を抽出しました。

 

ステップ2 優先順位付け

ステップ1で抽出した項目において、「ステークホルダーにとっての重要度」と「当社グループにとっての重要度」の2軸で、優先順位が高い重要テーマを特定しました。


ステップ3 妥当性確認

ステップ1・2で特定した重要テーマの妥当性について検討を行ったうえで、最高責任者(社長など)を含む取締役会/経営会議で報告し、了承されました。

 

ステップ4 マテリアリティ・KPI策定

1から3のステップを通じて、15項目のマテリアリティ及びKPIを特定しました。定期的な進捗評価を行うことで、CAPDサイクル※を回していきます。

 

※CAPDサイクル:計画を起点とした活動では重要な事実を見落としてしまうおそれがあると考え、当社では一般的なPDCAではなく、CAPDを改善サイクルとしています。

 

 

 ②戦略

  特定したマテリアリティとそれぞれの戦略と指標・目標は次のとおりです。

 

 〇当社グループの成長と価値共創に向けたマテリアリティ

No.

サステナビリティ

重要課題

(マテリアリティ)

主な取組内容

指標

目標

(注1)

実績

(注1)

美と健康への貢献

・サステナブル素材の化粧品原料、健康食品の提供

・医薬医療市場へのソリューション提供

機能性食品素材の年間延べ提供人数

2025年度 223万人(2020年度実績2倍)

142万人

当社キラルカラムの医薬品分析法への採用件数(JP、USP、EP)

2025年度 95件(累計)

88件(累計)

スマート社会へのソリューションの提供

・半導体プロセス用溶剤、レジストポリマーの提供

・ディスプレイの高機能化に貢献する機能フィルムの提供

先端半導体製造プロセスには不可欠な安全性の高い高沸点溶剤の新商品率

2025年度

23.9%

3.2%

安全・安心を社会へ提供

モビリティの安全・安心を守る製品の提供

自動車一台当たりの当社安全装置の平均搭載個数

2025年

3個/台

2個/台

多様化する小型モビリティや家庭内事故を防ぐ新安全デバイス上市数

2025年度新安全デバイス提案

2030年度 2件

新事業企画検討中 2件

環境に貢献する素材や技術の提供

環境対応プラスチックなど環境負荷を低減する素材や技術の提供

(3)気候変動 ③指標と目標 参照

同左

同左

 

環境対応型酢酸セルロースの製造量

2025年度

10,000~20,000t/年

7,993t

循環型社会構築への貢献

・バイオマスバリューチェーン構築

・廃棄物やCO₂の再利用

(3)気候変動 ③指標と目標 参照

同左

同左

 

気候変動への対応

(3)気候変動 ③指標と目標参照

同左

同左

同左

 

DE&Iの推進

性別、年齢、国籍、障がいを問わず誰もがイキイキ働く職場の実現

女性リーダー職(管理職)比率

(2)人的資本・多様性 参照

同左

4、5

障がい者3年超在籍率

(2)人的資本・多様性 参照

同左

4、5

 

人の成長のサポート(人的資本)

・専門性を磨く人財育成

・挑戦する人を後押しする仕組み作り

・公平性が高い評価システム構築

・人財育成に関する取組状況

・キャリアセミナーや部門長向けマネジメント研修の導入・見直し状況

毎年度実績を開示

・社員のキャリア自律を支援する体制強化

・デジタルリテラシー教育に業務マネジメントコースを追加

 

 

 

〇当社グループの存立とガバナンスの基盤に関わるマテリアリティ

No.

サステナビリティ

重要課題

(マテリアリティ)

主な取組内容

指標

目標

(注1)

実績

(注1)

環境負荷の低減

廃棄物削減とリサイクル

産業廃棄物の再資源化率 

2025年度 99%以上

98.4%

10

保安防災と労働安全衛生

・保安事故撲滅

・クライシスアセスメントによる被害の極小化

重大労災件数 

ゼロ件を継続

ゼロ件

重大保安事故件数

ゼロ件を継続

ゼロ件

過去トラブル(労災、保安防災)に基づいた安全教育実施率

100%を継続

100%

11

化学品安全と品質の向上

・品質マネジメント強化

・化学物質情報管理と情報提供

RC関連法規の監査実施率

2025年度 100%

41%

顧客苦情への24時間以内の1次回答率

2025年度 100%

88%

4、7

12

人権の尊重

・人権デュー・ディリジェンスの構築と実施

・人権侵害の是正・救済の仕組みの構築や教育

当社グループ、サプライチェーン全体に対する人権尊重への取組状況(人権デュー・ディリジェンス実施状況)

毎年度実績を開示

・当社グループ企業での人権デュー・ディリジェンス実施率:75.4%

(2019年度~2023年度)

国内 19社/19社

海外 24社/38社

・サプライヤーの人権デュー・ディリジェンス実施について計画立案、実施

13

働きやすい企業文化の醸成

・労働時間短縮と有給休暇取得率向上

・柔軟な働き方への支援

連続休暇取得率(年一回5日連続休暇)

2025年度 100%

72.2%

社員の健康促進に関する取組状況

毎年度実績を開示

・ベビーシッター補助制度を拡充

•「育児休業とらのまき」を 対象社員と上司に配布

•「グループ健康サポートセンター」を設置

•スポーツイベントの開催

14

責任ある調達

サプライチェーン全体のCSRレベル向上

持続可能な調達率

(SAQの結果、弊社基準点を満たす原燃料サプライヤーの割合)

2023年度 100%

79%

15

グループ・ガバナンスとコンプライアンスの基盤強化

・コーポレートガバナンス強化

・コンプライアンス徹底

・リスク管理強化

取締役会による監督機能強化の取組状況

毎年度実績を開示

・取締役会実効性評価について、第三者機関が関与する方式での評価を実施

 •客観的な視点で複数の課題・改善点を指摘

経営判断を要する重要性の高い案件に対し、法的視点よりチェック、対応がなされている率

100%を継続

100%

ヘルプライン通報件数

毎年度実績を開示

76件

コンプライアンス違反を発見した際に迷うことなくヘルプラインに通報できると思われる役職員の比率(=ヘルプライン通報訓練を経験した社員の比率)

2025年度 100%

10.1%

 

 

(注)1 特に記載がない限り、表中の目標及び実績については、2022年度の情報に基づいて記載しています。

2 当社グループ(連結)を対象に集計しております。

3 日系自動車メーカー向け製品を対象に集計しております。

4 提出会社単体を対象に集計しております。

5 2023年度の目標及び実績を「(2) 人的資本・多様性」に記載しております。

6 提出会社単体及び国内グループ会社を対象に集計しております。

7 顧客苦情への24時間以内の1次回答率は当社の国内製造拠点を対象に集計しております。

8 グループ企業の母数は2023年3月時点の人権デュー・ディリジェンス対象候補の企業数を記載しております。

 

③リスク管理

当社グループは、リスク管理を経営の重要な業務と認識し、企業活動に潜在するリスクへの適切な対応を行うとともに、リスクが顕在化した際の影響の最小化を図っています。

気候変動は、サステナブルな経営における重要なリスクと捉え、当社リスク管理体制の下、リスク評価、対応とその実施状況の確認を行います。重大な課題に対しては、サステナブル経営委員会にて詳細な検討を行います。

 

(a) 体制

当社は、各組織のリスク管理を統括・推進する組織として、企業倫理室担当役員が委員長を務め、各コーポレートの部門長を委員とするリスク管理委員会を設置しています。リスク管理委員会は、各組織のリスク管理活動報告およびリスク棚卸し結果により、リスク対応策の進捗状況の確認を行い、必要に応じて助言や支援を行います。全社的な対応が必要と判断されるリスクにはプロジェクトなどを立ち上げて対策を進めます。また、当社グループが置かれている事業環境や社会情勢を考慮して、再点検すべきリスクを「重点確認ポイント」として設定し、各組織において再確認および対策の見直しなどを行います。

なお、当該委員会で議論された、重点確認ポイントや当社グループの経営に重大な影響を及ぼすリスクへの対応策の進捗状況、次年度のリスク管理の方針、BCPの整備状況、その他重要事項については、年度末の経営会議および取締役会に報告しています。

 

(b) リスク管理の方法

 当社グループでは、当社の各部門・各グループ企業(以下、各組織)がその本来の業務の一部として適切なリスク管理を行うためのCAPDサイクルをまわしています。各組織において、事業目標の達成に重大な影響を及ぼすリスクを特定(Check)、できる限り顕在化させないための対策や、万が一顕在化してしまったとしても被害を最小限にするための対策の検討および計画立案(Act, Plan)、対策の実施(Do)、そして、一定期間後のリスクの再評価(Check)とそれに伴う対策内容の再検討(Act)を行っています。

 

④指標及び目標

 ②戦略に記載の指標・目標・実績を参照

 

(2) 人的資本・多様性(人の成長のサポート、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進)

 ①ガバナンス

   (1)に記載のサステナビリティ全般を参照

 

 ②戦略

 当社グループは、基本理念の下に「サステナブル経営方針」を置いています。その中で、人についてはサステナブルピープル(Sustainable People)を掲げ、多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます、と方針を定めています。これが当社グループの人に対する考え方、すなわち人事方針です。

 

 また、「人間中心の経営」は、当社が長年持ち続けている考え方ですが、将来にむけては長期ビジョンおよび中期戦略の実現にむけて、社員があらゆる人たちと様々な方法で挑戦することを共通認識できるよう「DE&I宣言」を制定しました。

 今後も、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの実践を通じて、働きやすい企業文化の醸成など各種取り組みを進めています。

 

――― 当社グループ人事方針 ―――


 

ダイセルグループ DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)宣言

 

当社グループは、基本理念の下に「サステナブル経営方針」を置いています。その中で、人についてはサステナブルピープル(Sustainable People)を掲げ、多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます、と方針を定めています。これが当社グループの人に対する考え方、すなわち人事方針です。セルロイドの製造会社として生まれたダイセルグループは、現在では、多種多様な製品を生み出し、あらゆる国や地域にネットワークを持つ事業体に成長しました。

しかし、「人間中心の経営」は最初から確固たるものではありませんでした。ダイセルグループの歴史こそが、「人間中心の経営」とは何かを追求してきた歴史と言っても過言ではありません。これからも「正しき道を行く」とは何かを絶えず考え、ダイセルグループ倫理規範に定める人権の尊重を基盤とし、ダイセルグループの「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」をここに定義します。

 

ダイセルグループにおける「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」

 

■   ダイバーシティ(Diversity、多様性)

ダイバーシティとは、異なる「人間同士」が、共通の理念や目的を実現するために、一人ひとりの個性や違いを尊重しつつ、その強みのみならず、弱みも含めた、全人間力を活かすことです。

「人」は、未知なる可能性を秘めたかけがえのない存在であり、価値共創といった社会貢献に共に取り組むことで、より大きな可能性を得る機会とし、人が成長することでその集団であるダイセルグループも成長していきます。

■   エクイティ(Equity、公平性)

エクイティとは、情熱をもって挑戦する人が、その力を発揮できるよう適切な環境を整え、育む仕組みを整え、発揮した力の結果を正しく評価することです。

ダイセルグループでは、会社の目指す姿を指し示し、その実現にむけて使命感を持って挑戦する人に公平な機会を提供し、その挑戦と貢献を公正に評価します。たとえ挑戦が失敗に終わったとしても、失敗から学び、何度でも挑戦できます。

■   インクルージョン(Inclusion、尊重し、認め合う)

インクルージョンとは、人が存在を認め合い、対話しあい、互いを受け入れることです。

ダイセルグループでは、一人ひとりが誇りを持って「会社の目指す姿」と「自己実現」に挑戦します。

その過程で私たちは、主体的に目標を掲げ、互いの主張を徹底的に議論することを恐れません。本質的に高め合い、刺激を与え合うことで、互いに視野を拡げ、時には新しい道を見つけて進化を遂げながら会社と共に成長します。

 

ダイセルグループは、社員をはじめ、あらゆる人たちと協働し、企業活動の中で「DE&I」を実践し、PRODUCT、PROCESS、そしてPEOPLE三つのサステナビリティの実現を宣言します。

 

本宣言は「ダイセルグループ倫理規範(2.②)」に基づく宣言として、2024年1月16日、経営会議において承認のうえ公表しています。

 

 

方針

指標

目標

実績

人材の育成に関する方針

当社グループは、多様な社員が存在感と達成感を味わいながら成長できるようサポートしています。人への投資を進める裏には、社員一人ひとりが技と心を磨き、会社という場を活用して自己実現を叶えて欲しいという思いがあります。自己実現を目指す中で、自分の仕事に誇りをもって仕事をし、よいものを社会へ送り出すことで、社会の人々の幸せに貢献していきます。

 

人財育成にあたっては、以下の基本的な考え方を定めています。

・それぞれの国や地域で定められた決まりごとに則し、「安全」「品質」「コンプライアンス」を最優先に、仕事ができる人財を育成する。

・多様な人財が成長できるよう、一人ひとりに合わせた公平な育成機会の提供と適正配置を実施する。

・当社グループがワンチームとして機能するため、チームワークを重視する人財を育成する。

・専門性を磨き、得意領域で輝ける人財を育成する。

・自己研鑽への意欲を高め、社員の能力向上へのサポートを最大限実施し、社員のエンプロイアビリティ向上に努める。

・一人ひとりのキャリアを会社・職場・個人それぞれが考え、育成につなげる文化を醸成する。

研修時間
(一人当たり)

未設定

5.3時間

1、2

・人財育成に関する取組状況、人事制度見直し状況

・キャリアセミナーや部門長向けマネジメント研修の導入・見直し状況

毎年度実績を開示

・社員のキャリア自律を支援する体制強化

-年代別キャリア研修の対象者拡大(50代および40代に加えて、新たに30代向けの研修

プログラムを開始)-

-モデル事業場を設けて、部門長むけに外部講師によるコーチングを導入。コーチングで得た気づきを組織開発を実施

 -人事担当部門にキャリア支援室を設置し、社員が主体的にキャリアを選択できるように支援

-専門能力開発プログラム(事務系社員の人財育成)を開始

・AI教育の継続実施

 

社内環境整備に関する方針

当社グループは、多様な社員が個々の能力を発揮し、活躍できる環境づくりに取り組んでいます。

 

また、当社グループは「ダイセルグループ レスポンシブル・ケア基本方針」に則り、研究開発・製造・物流など、全ての取り組みにおいて、リスクアセスメントを行い、安全を確保するための諸施策を推進しています。

全ての事業場で協力会社も含め、安全を最優先したモノづくりを大前提に、生産現場の基盤整備の取り組みとして、3S(整理・整頓・清掃)・HH(ヒヤリハット)・KY(危険予知)を推進しています。

まずは社員一人ひとりとその家族の幸せが前提としてあり、それを実現した先に社会の人々の幸せがあると当社は考えています。全グループ社員がやりがいをもってイキイキと働けるよう、一人ひとりを大切にする「人間中心の経営」を貫き、サステナブルな社会の実現を目指します。

重大労災件数

ゼロ件

ゼロ件

・女性管理職比率

・障がい者3年超在籍率

2025年度10以上

95以上を継続

5.6

97.4

 

 

注) 1 提出会社単体について、2023年度に同社の人事部門が主催した研修を対象に集計しております。

2 一人あたり研修時間は、人事部門が主催した総研修時間と事業年度末時点の在籍正社員数から計算しております。

3 提出会社単体について、2022年度に同社のレスポンシブル・ケア部門に報告された情報を対象に集計しております。

4 提出会社単体について、2023年度を対象に集計しております。

 

③リスク管理

(1)に記載のサステナビリティ全般を参照

 

④指標及び目標

上記②戦略における記載を参照

 

(3) 気候変動

①ガバナンス

(1)に記載のサステナビリティ全般を参照。

ただし、特に気候変動に関しては、当社グループの省エネルギーおよびGHG排出量削減を推進する、社長直轄の「カーボンニュートラル戦略委員会」を設置し、議論を行っています。当委員会は、生産部門を統括する担当役員を委員長に、国内の生産部門・エネルギー部門・コーポレート部門の代表者で構成しており、省エネルギー推進と管理を行うとともに、GHG排出量削減目標達成に向けて、現行生産プロセスにおけるGHG排出量削減、エネルギー部門のGHG排出量削減、革新的技術によるGHG排出量削減の3つの切り口で、当社グループ全体で地球環境と共生する循環型プロセスの構築に取り組みます。なお、中長期目標達成に向けて適切な投資計画を立案・遂行するため、インターナルカーボンプライシングの導入を検討中です。


 

②戦略

(a)シナリオ分析実施手順

シナリオ分析は以下の手順で実施しています。

ステップ1 シナリオ分析の対象範囲の設定

ステップ2 各事業における気候変動に対するリスクと機会のリスト化

ステップ3 各事業における外部シナリオに従って、事業シナリオを作成、リスクと機会の大きさを再評価

ステップ4 各事業における財務評価

ステップ5 気候変動が当社グループに及ぼす影響とその対策まとめ

 

(b)シナリオ分析の対象範囲の設定

 当社グループの主要事業領域としてエンジニアリングプラスチック(ポリプラスチックス株式会社)事業、酢酸セルロースを中心としたアセチル事業(スマートSBU、マテリアルSBU)、セイフティ事業を評価対象とし、気温上昇1.5℃と4℃、時間軸2030年を想定してシナリオ分析を行いました。

 1.5℃と4℃シナリオには、TCFDシナリオ分析で一般的に参照されることが多い国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の資料を参照して検討いたしました。

 

 

(c)シナリオ分析の実施結果

 気候変動が当社グループに及ぼすリスク、機会、およびその対応策は下表の通りです。

  表 シナリオ分析結果(リスク/機会の内容とその影響度及び対応)

リスク/

機会

カテゴリ

内容

全体

エンプラ

事業

アセチル

事業

セイフティ事業

対応

4℃

1.5/

2℃

4℃

1.5/

2℃

4℃

1.5/

2℃

4℃

1.5/

2℃

移行

リスク

政策・
法規制

炭素価格(税)の導入・強化により、操業コストが上昇

●●

●●●

●●

●●●

●●●

●●

GHG削減目標実現に向けた活動推進

炭素価格(税)の導入・強化により、上流取引先のコスト増が価格転嫁され、調達コストが上昇

●●

●●●

●●

●●●

●●

●●

サプライヤーと協働でGHG排出原単位削減を推進することで影響を低減
低GHG原材料への切替え

欧州炭素国境調整措置等、各国の炭素排出目標・政策による温室効果ガス排出の規制強化

●●

●●

-

GHG削減目標実現に向けた活動推進
省エネ、低GHG原材料への切替え、調達先変更

市場

低炭素社会実現に向け、

石化由来原材料等の価格変動

●●●

●●

●●●

在庫管理の最適化
複数購買化、処方による原料シンプル化、製造技術向上による品質均一化の推進

技術

省エネ、生産性向上のための

設備投資コストの増加

●●

●●

●●

-

処方設計・テクニカルサービスの技術・ノウハウ開発を加速することでリスクを解決

評判

気候変動に対するリスク・機会の特定とその対応、環境経営に

関する情報開示要求の高まり

-

-

環境対応に関する体 制・仕組み強化
変化する社会の要求に合わせた環境関連の情報開示の継続

物理

リスク

慢性
急性

異常気象による災害の激甚化(豪雨、洪水、台風)による、

操業停止や原材料、製品の損傷
サプライチェーンの停止

気候変動に対するBCP強化

慢性

平均気温の上昇による、

労働条件の悪化や感染症蔓延

-

-

-

-

継続的な職場環境の改善

移行機会

市場

環境配慮型製品等新規市場拡大
生分解性プラスチック、EV、

再エネ、リサイクル、水資源保護

●●●

●●

●●●

●●

リサイクルビジネス(リコンパウンディング事業)の開発
低GHG製品の開発(CCU技術活用、バイオ原料製品 開発)
酢酸セルロースの機能化、新規ファインセルロースの開発、BIC案件の事業化
EV向け電流遮断装置の市場開拓

資源の

効率性

省エネ、生産性向上による

操業コストの削減 

●●●

●●●

●●●

当社独自の生産革新手法、自律型生産システム導入

その他低減活動*

●●

●●●

●●

●●●

●●●

●●

 

 

 

(影響度)●●●:百億円以上、●●:数十億円、:十億円以下、-:ほとんど影響なし

*その他低減活動:GHG排出量50%削減(Scope1、2)のための投資、GHG排出量削減による炭素価格の影響を低減、低GHG原材料への転換、サプライチェーン全体の低減活動等

 

 

 

(d)今後の予定

今回実施したシナリオ分析結果から見出された課題や対応策について着実に取り組むとともに、引き続き戦略の見直しを行います。

 

③指標と目標

 当社グループでは、マテリアリティ15項目の中に、「気候変動への対応」、「環境に貢献する素材や技術の提供」、「循環型社会構築への貢献」を挙げており、それぞれKPIを設定しております。

 

・気候変動への対応

指標:当社グループのGHG排出量削減率*

目標:スコープ1、2 2030年:50%削減(2018年比)

*2050年 カーボンニュートラル実現(スコープ1、2、3)

2022年度実績:1%増(2018年比)

 

 当社グループの2022年度のGHG排出量は、需要回復に伴う生産量増加や大型新規プラントの試運転により増加したものの、大竹工場の廃タイヤ混焼率向上など継続して省エネルギー化に取り組み、前年度比0.3%減の234万トン-CO₂になりました。


・環境に貢献する素材や技術の提供

指標:製品に含まれる循環型原料の使用率

       対象はダイセル、ポリプラスチックス、ダイセルミライズの主要樹脂材料

目標:2030年 30%以上

2022年実績:15.9% 

 

・循環型社会構築への貢献

指標:天然素材を利用した資源循環システムの対外的な提案数

目標:2025年 3件

2022年実績:研究開発中

 

当社グループは、サステナブル経営方針の中に地球環境と共生する循環型プロセスの構築を掲げています。引き続き低炭素経済に貢献する製品やサービスについて議論を重ね、より良い指標と目標の設定を検討します。

現在、循環型社会構築への貢献の社内認定制度運用について検討を進めており、2024年度中の正式運用を目指します。