人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,510名(単体) 11,134名(連結)
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平均年齢42.2歳(単体)
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平均勤続年数16.1年(単体)
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平均年収8,144,945円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。
2 臨時従業員に派遣社員は含んでおりません。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。
2 臨時従業員に派遣社員は含んでおりません。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
労働組合の有無にかかわらず、当社を含め各グループ企業の労使は相互理解を基調に円満な関係にあります。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1 「管理職に占める女性労働者の割合」、「労働者の男女の賃金の差異」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。
2 「管理職に占める女性労働者の割合」は正規雇用労働者を対象とし、出向者を出向元の労働者として算出しております。
3 「男性労働者の育児休業取得率」は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。
4 「男性労働者の育児休業取得率」は、出向者を出向元の労働者として算出しております。
5 「労働者の男女の賃金の差異」は、海外に駐在している労働者を除いて算出しております。
6 「労働者の男女の賃金の差異」は、出向者を出向元の労働者として算出しております。
7 「労働者の男女の賃金の差異」は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、当社は、職群及び等級により異なる賃金水準を設定しております。男女では職群及び等級毎の人数に差があるため、賃金において差異が生じております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティ全般
①ガバナンス
当社グループでは社長を委員長とするサステナブル経営委員会(通常3回/年)を設置しています。
当委員会では、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)について経営レベルでの議論を行うとともに管理を行います。
取締役会はマテリアリティに関連するKPI(重要業績評価指標)の進捗状況など、サステナブル経営委員会からの定期的な報告を受けることにより、当社グループのサステナビリティ推進状況を監督します。
2023年度は計3回サステナブル経営委員会を開催し、主に気候変動への対応、循環型社会構築への貢献認定制度、GHG排出量削減の取り組み、CFP(カーボンフットプリント)算定などについて討議し、その内容について取締役会で報告いたしました。
引き続きサステナビリティに関連する課題の解決、取り組みのレベルアップに向けて歩みを進めていきます。
サステナブル経営体制図
当社グループは、価値共創によって人々の幸せを実現するという基本理念のもと、サステナブル経営方針に基づき、事業活動を行っています。中期戦略『Accelerate 2025』の策定にあたり、その実現を促進するマテリアリティを特定しました。今後も、事業活動を通じたサステナブル社会の実現を目指していきます。
・マテリアリティ特定の背景と考え方
サステナブル経営方針の製品(Product)・製造プロセス(Process)・働く人(People)の3つの観点から、社会課題の解決に対して当社グループの強みを生かしてどのような貢献ができるかを考えるとともに、安全・品質・コンプライアンスなどの最重要基盤に関する項目も取り上げました。
・マテリアリティ特定プロセス
ステップ1 社会課題の抽出
国際的なガイドライン、SDGs、国連グローバル・コンパクト原則、業界団体ガイドラインを参照し、当社グループが取り組むべき課題を抽出しました。
ステップ2 優先順位付け
ステップ1で抽出した項目において、「ステークホルダーにとっての重要度」と「当社グループにとっての重要度」の2軸で、優先順位が高い重要テーマを特定しました。
ステップ3 妥当性確認
ステップ1・2で特定した重要テーマの妥当性について検討を行ったうえで、最高責任者(社長など)を含む取締役会/経営会議で報告し、了承されました。
ステップ4 マテリアリティ・KPI策定
1から3のステップを通じて、15項目のマテリアリティ及びKPIを特定しました。定期的な進捗評価を行うことで、CAPDサイクル※を回していきます。
※CAPDサイクル:計画を起点とした活動では重要な事実を見落としてしまうおそれがあると考え、当社では一般的なPDCAではなく、CAPDを改善サイクルとしています。
②戦略
特定したマテリアリティとそれぞれの戦略と指標・目標は次のとおりです。
〇当社グループの成長と価値共創に向けたマテリアリティ
〇当社グループの存立とガバナンスの基盤に関わるマテリアリティ
(注)1 特に記載がない限り、表中の目標及び実績については、2022年度の情報に基づいて記載しています。
2 当社グループ(連結)を対象に集計しております。
3 日系自動車メーカー向け製品を対象に集計しております。
4 提出会社単体を対象に集計しております。
5 2023年度の目標及び実績を「(2) 人的資本・多様性」に記載しております。
6 提出会社単体及び国内グループ会社を対象に集計しております。
7 顧客苦情への24時間以内の1次回答率は当社の国内製造拠点を対象に集計しております。
8 グループ企業の母数は2023年3月時点の人権デュー・ディリジェンス対象候補の企業数を記載しております。
③リスク管理
当社グループは、リスク管理を経営の重要な業務と認識し、企業活動に潜在するリスクへの適切な対応を行うとともに、リスクが顕在化した際の影響の最小化を図っています。
気候変動は、サステナブルな経営における重要なリスクと捉え、当社リスク管理体制の下、リスク評価、対応とその実施状況の確認を行います。重大な課題に対しては、サステナブル経営委員会にて詳細な検討を行います。
(a) 体制
当社は、各組織のリスク管理を統括・推進する組織として、企業倫理室担当役員が委員長を務め、各コーポレートの部門長を委員とするリスク管理委員会を設置しています。リスク管理委員会は、各組織のリスク管理活動報告およびリスク棚卸し結果により、リスク対応策の進捗状況の確認を行い、必要に応じて助言や支援を行います。全社的な対応が必要と判断されるリスクにはプロジェクトなどを立ち上げて対策を進めます。また、当社グループが置かれている事業環境や社会情勢を考慮して、再点検すべきリスクを「重点確認ポイント」として設定し、各組織において再確認および対策の見直しなどを行います。
なお、当該委員会で議論された、重点確認ポイントや当社グループの経営に重大な影響を及ぼすリスクへの対応策の進捗状況、次年度のリスク管理の方針、BCPの整備状況、その他重要事項については、年度末の経営会議および取締役会に報告しています。
(b) リスク管理の方法
当社グループでは、当社の各部門・各グループ企業(以下、各組織)がその本来の業務の一部として適切なリスク管理を行うためのCAPDサイクルをまわしています。各組織において、事業目標の達成に重大な影響を及ぼすリスクを特定(Check)、できる限り顕在化させないための対策や、万が一顕在化してしまったとしても被害を最小限にするための対策の検討および計画立案(Act, Plan)、対策の実施(Do)、そして、一定期間後のリスクの再評価(Check)とそれに伴う対策内容の再検討(Act)を行っています。
④指標及び目標
②戦略に記載の指標・目標・実績を参照
(2) 人的資本・多様性(人の成長のサポート、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進)
①ガバナンス
(1)に記載のサステナビリティ全般を参照
②戦略
当社グループは、基本理念の下に「サステナブル経営方針」を置いています。その中で、人についてはサステナブルピープル(Sustainable People)を掲げ、多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます、と方針を定めています。これが当社グループの人に対する考え方、すなわち人事方針です。
また、「人間中心の経営」は、当社が長年持ち続けている考え方ですが、将来にむけては長期ビジョンおよび中期戦略の実現にむけて、社員があらゆる人たちと様々な方法で挑戦することを共通認識できるよう「DE&I宣言」を制定しました。
今後も、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの実践を通じて、働きやすい企業文化の醸成など各種取り組みを進めています。
――― 当社グループ人事方針 ―――
ダイセルグループ DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)宣言
当社グループは、基本理念の下に「サステナブル経営方針」を置いています。その中で、人についてはサステナブルピープル(Sustainable People)を掲げ、多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます、と方針を定めています。これが当社グループの人に対する考え方、すなわち人事方針です。セルロイドの製造会社として生まれたダイセルグループは、現在では、多種多様な製品を生み出し、あらゆる国や地域にネットワークを持つ事業体に成長しました。
しかし、「人間中心の経営」は最初から確固たるものではありませんでした。ダイセルグループの歴史こそが、「人間中心の経営」とは何かを追求してきた歴史と言っても過言ではありません。これからも「正しき道を行く」とは何かを絶えず考え、ダイセルグループ倫理規範に定める人権の尊重を基盤とし、ダイセルグループの「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」をここに定義します。
ダイセルグループにおける「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」
■ ダイバーシティ(Diversity、多様性)
ダイバーシティとは、異なる「人間同士」が、共通の理念や目的を実現するために、一人ひとりの個性や違いを尊重しつつ、その強みのみならず、弱みも含めた、全人間力を活かすことです。
「人」は、未知なる可能性を秘めたかけがえのない存在であり、価値共創といった社会貢献に共に取り組むことで、より大きな可能性を得る機会とし、人が成長することでその集団であるダイセルグループも成長していきます。
■ エクイティ(Equity、公平性)
エクイティとは、情熱をもって挑戦する人が、その力を発揮できるよう適切な環境を整え、育む仕組みを整え、発揮した力の結果を正しく評価することです。
ダイセルグループでは、会社の目指す姿を指し示し、その実現にむけて使命感を持って挑戦する人に公平な機会を提供し、その挑戦と貢献を公正に評価します。たとえ挑戦が失敗に終わったとしても、失敗から学び、何度でも挑戦できます。
■ インクルージョン(Inclusion、尊重し、認め合う)
インクルージョンとは、人が存在を認め合い、対話しあい、互いを受け入れることです。
ダイセルグループでは、一人ひとりが誇りを持って「会社の目指す姿」と「自己実現」に挑戦します。
その過程で私たちは、主体的に目標を掲げ、互いの主張を徹底的に議論することを恐れません。本質的に高め合い、刺激を与え合うことで、互いに視野を拡げ、時には新しい道を見つけて進化を遂げながら会社と共に成長します。
ダイセルグループは、社員をはじめ、あらゆる人たちと協働し、企業活動の中で「DE&I」を実践し、PRODUCT、PROCESS、そしてPEOPLE三つのサステナビリティの実現を宣言します。
本宣言は「ダイセルグループ倫理規範(2.②)」に基づく宣言として、2024年1月16日、経営会議において承認のうえ公表しています。
(注) 1 提出会社単体について、2023年度に同社の人事部門が主催した研修を対象に集計しております。
2 一人あたり研修時間は、人事部門が主催した総研修時間と事業年度末時点の在籍正社員数から計算しております。
3 提出会社単体について、2022年度に同社のレスポンシブル・ケア部門に報告された情報を対象に集計しております。
4 提出会社単体について、2023年度を対象に集計しております。
③リスク管理
(1)に記載のサステナビリティ全般を参照
④指標及び目標
上記②戦略における記載を参照
(3) 気候変動
①ガバナンス
(1)に記載のサステナビリティ全般を参照。
ただし、特に気候変動に関しては、当社グループの省エネルギーおよびGHG排出量削減を推進する、社長直轄の「カーボンニュートラル戦略委員会」を設置し、議論を行っています。当委員会は、生産部門を統括する担当役員を委員長に、国内の生産部門・エネルギー部門・コーポレート部門の代表者で構成しており、省エネルギー推進と管理を行うとともに、GHG排出量削減目標達成に向けて、現行生産プロセスにおけるGHG排出量削減、エネルギー部門のGHG排出量削減、革新的技術によるGHG排出量削減の3つの切り口で、当社グループ全体で地球環境と共生する循環型プロセスの構築に取り組みます。なお、中長期目標達成に向けて適切な投資計画を立案・遂行するため、インターナルカーボンプライシングの導入を検討中です。
②戦略
(a)シナリオ分析実施手順
シナリオ分析は以下の手順で実施しています。
ステップ1 シナリオ分析の対象範囲の設定
ステップ2 各事業における気候変動に対するリスクと機会のリスト化
ステップ3 各事業における外部シナリオに従って、事業シナリオを作成、リスクと機会の大きさを再評価
ステップ4 各事業における財務評価
ステップ5 気候変動が当社グループに及ぼす影響とその対策まとめ
(b)シナリオ分析の対象範囲の設定
当社グループの主要事業領域としてエンジニアリングプラスチック(ポリプラスチックス株式会社)事業、酢酸セルロースを中心としたアセチル事業(スマートSBU、マテリアルSBU)、セイフティ事業を評価対象とし、気温上昇1.5℃と4℃、時間軸2030年を想定してシナリオ分析を行いました。
1.5℃と4℃シナリオには、TCFDシナリオ分析で一般的に参照されることが多い国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の資料を参照して検討いたしました。
(c)シナリオ分析の実施結果
気候変動が当社グループに及ぼすリスク、機会、およびその対応策は下表の通りです。
表 シナリオ分析結果(リスク/機会の内容とその影響度及び対応)
(影響度)●●●:百億円以上、●●:数十億円、●:十億円以下、-:ほとんど影響なし
*その他低減活動:GHG排出量50%削減(Scope1、2)のための投資、GHG排出量削減による炭素価格の影響を低減、低GHG原材料への転換、サプライチェーン全体の低減活動等
(d)今後の予定
今回実施したシナリオ分析結果から見出された課題や対応策について着実に取り組むとともに、引き続き戦略の見直しを行います。
③指標と目標
当社グループでは、マテリアリティ15項目の中に、「気候変動への対応」、「環境に貢献する素材や技術の提供」、「循環型社会構築への貢献」を挙げており、それぞれKPIを設定しております。
・気候変動への対応
指標:当社グループのGHG排出量削減率*
目標:スコープ1、2 2030年:50%削減(2018年比)
*2050年 カーボンニュートラル実現(スコープ1、2、3)
2022年度実績:1%増(2018年比)
当社グループの2022年度のGHG排出量は、需要回復に伴う生産量増加や大型新規プラントの試運転により増加したものの、大竹工場の廃タイヤ混焼率向上など継続して省エネルギー化に取り組み、前年度比0.3%減の234万トン-CO₂になりました。
・環境に貢献する素材や技術の提供
指標:製品に含まれる循環型原料の使用率
対象はダイセル、ポリプラスチックス、ダイセルミライズの主要樹脂材料
目標:2030年 30%以上
2022年実績:15.9%
・循環型社会構築への貢献
指標:天然素材を利用した資源循環システムの対外的な提案数
目標:2025年 3件
2022年実績:研究開発中
当社グループは、サステナブル経営方針の中に地球環境と共生する循環型プロセスの構築を掲げています。引き続き低炭素経済に貢献する製品やサービスについて議論を重ね、より良い指標と目標の設定を検討します。
現在、循環型社会構築への貢献の社内認定制度運用について検討を進めており、2024年度中の正式運用を目指します。