2023年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    14,010名(連結)
  • 平均年齢
  • 平均勤続年数
  • 平均年収

従業員の状況

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

飲料事業

14,010

(3,163)

合計

14,010

(3,163)

 

(注)1.従業員数は,当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.臨時雇用者には、パートタイマーおよびアルバイトを含み、派遣社員を除いております。

 

(2)提出会社の状況

当社は純粋持株会社であるため、記載を省略しております。

 

(3)労働組合の状況

当社グループには、コカ・コーラボトラーズジャパングループEast労働組合、コカ・コーラボトラーズジャパングループウエスト労働組合の他、一部の連結子会社に労働組合が組織されており、2023年12月31日現在の各組合員の総員は12,202人であります。

なお、労使関係は円満に推移しております。

 

 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性の育児休業等取得率および男女の賃金の格差

連結(提出会社および主な連結子会社)※1

女性管理職比率(%)
※2

男性育児休業取得率(%) ※3

男女賃金格差 (%) ※2,4

全体

正規社員

非正規社員

21年

22年

23年

21年

22年

23年

21年

22年

23年

21年

22年

23年

21年

22年

23年

6.1

6.6

7.4

60.2

67.5

83.3

71.6

71.7

73.1

84.1

84.0

84.2

86.1

87.2

88.7

 

女性管理職比率

当社グループでは、女性管理職比率の向上における重点課題が、女性管理職を育成する環境整備であると認識し、その解決に向けた取り組みを行ってきました。2021年には次世代女性リーダーの発見・育成の議論の場である「女性人材会議」を発足し、部門ごとの女性管理職目標比率を設定した他、その後続アクションとして部長・課長・非管理職という階層ごとに育成プログラムを立ち上げ、制度面の充実を実現しました。さらに、2023年から国際女性デー(3月8日)に合わせて社内で「International women’s week」を設け、女性管理職や他業界からのスピーカーを迎えたセッションを開催しております。それにより、女性だけでなく経営陣や部門長を含む社員が女性のキャリアや働き方、女性の管理職登用の重要性に対して議論する場を提供しております。これらの取り組みを通じて、これまで女性管理職が不在だった組織に初の女性管理職が誕生するなどの大きな前進があり、女性管理職比率は年々上昇しております

男性育児休業取得率

当社グループは、男性が育児休暇・休業を取得しにくい環境であるという社内調査の結果をもとに、制度・職場環境それぞれの観点から取り組みを行ってきました。制度面では、配偶者出産休暇の取得期限を産後3カ月以内から1年以内に延長し、対象者およびその部署のメンバーに休暇制度について周知のうえ、取得の推奨を実施しております。職場環境面では、子供が生まれる男性社員の上司に「パパエプロン」を配布し、チームミーティング内でお祝いの言葉と同時に休暇・休業の取得を奨励する文化醸成に取り組んでおります。また、1カ月以上の長期の育児休業・休暇を取得した男性社員とその上司に、取得にあたり留意したこと・長期取得を可能にした工夫や対応方法の具体例をインタビューした記事を社内サイトで公開しております。それにより、男性社員と、その上司双方の育児休暇・休業の取得に対する意識の向上を図っております。これらの取り組みを通じて、男性の育児休業取得率は年々上昇しております

 

男女賃金格差

当社グループは、社員それぞれの役割と成果に応じた評価および報酬制度を導入しており、同等の役割および成果の社員であれば性別による賃金格差が生じることはありません。なお、数値上において差異が生じる主な要因は職種および役割の構成の違いによるものです。今後も、男女の賃金格差をより縮小していくために、上述のとおり女性管理職を増やす取り組みなどを行ってまいります。

開示が求められる連結子会社の状況 ※6

 

女性管理職比率(%)
※2

男性育児休業取得率(%) ※3

男女賃金格差 (%) ※2,4

全体

正規社員

非正規社員

21年

22年

23年

21年

22年

23年

21年

22年

23年

21年

22年

23年

21年

22年

23年

コカ・コーラボトラーズジャパン(株) 

6.1

6.5

7.3

67.7

76.0

93.0

68.4

69.0

69.8

77.5

78.7

78.7

76.1

78.4

77.9

コカ・コーラボトラーズジャパンベンディング(株)

0.0

0.0

0.5

50.0

57.3

75.2

56.8

69.0

68.4

78.7

78.7

79.1

94.8

108.6

108.5

FVジャパン(株)

0.0

2.5

2.6


(※5)

100.0

(※5)

50.5

49.5

51.2

71.6

69.2

64.5

95.4

94.8

97.1

コカ・コーラボトラーズジャパンビジネスサービス(株)

14.2

14.5

15.8

78.9

76.9

75.0

78.6

69.9

70.5

88.5

84.7

84.2

91.1

89.9

99.3

 

(注釈)

※1「連結(提出会社および主な連結子会社)」の指標算出にあたっては、提出会社の他にコカ・コーラボトラーズジャパン株式会社、コカ・コーラボトラーズジャパンベンディング株式会社、FVジャパン株式会社、コカ・コーラボトラーズジャパンビジネスサービス株式会社、コカ・コーラボトラーズジャパンベネフィット株式会社、コカ・コーラカスタマーマーケティング株式会社を含めて算出しております。

※2 管理職に占める女性従業員の割合および男女の賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律64号)の規定に基づき算出、開示しております。

※3 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働
者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号に定める方法により算出しております。

※4 パートタイム労働者については、フルタイム労働者の所定労働時間をもとに人員数の換算を行っております

※5 FVジャパン(株)の男性育児休業取得率の開示対象者がいない年度は、「―」としております。

※6 当社は純粋持株会社であり、また、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております 。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサスティナビリティーに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サスティナビリティー全般に関するガバナンス

当社グループでは、2023年1月より、サスティナビリティー委員会を新設し、非財務目標「CSV Goals」をベースに、気候変動や生物多様性を含むさまざまなサスティナビリティー課題について方針・戦略などを定める体制を強化しております。当委員会では、経営陣がサスティナビリティー課題について議論を行い、決定した方向性や戦略を速やかに各部門へフィードバックすることにより、各部門におけるサスティナビリティー活動の徹底と円滑化を図っております。2023年の当委員会では、環境施策、TCFDなどが議論されました。また、取締役会でもサスティナビリティー関連のリスク対策が重要だと考えており、経営方針を策定するにあたり、リスク選定および成長性において考慮してまいります。

 

(当社グループにおけるサスティナビリティー委員会推進体制図)


 

(2)サスティナビリティー全般に関する戦略

当社グループでは「すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造します」というミッションを掲げております。当社グループはこの価値の創造において事業の成長による経済価値、そして社会課題の解決で生み出される社会価値、この2つの価値をともに向上させる共創価値(CSV:Creating Shared Value)を経営の根幹としております。これが当社グループのサスティナビリティー戦略の基礎となっております。

また、2019年に日本のコカ・コーラシステムにおいて合意された「サスティナビリティーフレームワーク」を推進する一方で、さらなる社会環境変化への対応が必要と判断し、2023年に当社グループ独自の13のマテリアリティを特定しました。これらを、ステークホルダーと当社グループにとっての重要度を軸にマテリアリティごとにマッピングし、「持続的価値提供における重要テーマ」「持続的社会における重要テーマ」「持続的組織運営における重要テーマ」に整理しました。マテリアリティの解決に向けて、当社グループは引き続きバリューチェーン全体で取り組みを推進しております。

 

CCBJHグループマテリアリティと定義

持続的価値提供における重要テーマ

 

容器&リサイクル(循環型社会)

ザ コカ・コーラカンパニーが掲げる2030年グローバルビジョン「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」達成に向けて、設計・回収・パートナーの3つを柱に容器の軽量化および水平リサイクル、廃棄物の削減等に取り組み、国内におけるプラスチック等資源の循環利用の促進に貢献する。

 

気候変動の緩和・適応

気候変動の緩和・適応を目指し、バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量削減などの環境負荷低減に取り組む。

 

人財の育成とウェルビーイング

社員は持続可能な事業活動を行うための重要な財産であるとの理念のもと、人財育成制度の充実など、社員一人ひとりが能力を最大に発揮し成長できる環境の整備に取り組む。また、ワークライフバランス等の充実を通じて社員の心身の健康・職場安全を推進する。

持続的社会における重要テーマ

 

水資源の保全

かけがえのない「水」を主原料に使用しビジネスを行う企業として、製造に使用する水の削減や再利用、適切な処理に努める。豊かな水資源を次世代へ引き継ぐために、地域社会と協働し持続可能な水資源の保全に取り組む。

 

持続可能な生物資源の保全

ビジネスの意思決定において自然環境や生態系に与える影響を認識し影響の低減を図ることで、生物多様性の保全と持続的なビジネスを実現する。

 

健康に配慮した製品・サービス

健康維持・増進や栄養補給に寄与する高付加価値製品・サービスを提供し、お客さまのウェルネス向上に貢献する。      

 

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン

人権や多様性、公平性を尊重する文化を醸成するとともに、性別、年齢、障がいの有無、人種、国籍、性的指向、性自認または表現などの属性などによらず、一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境をバリューチェーン全体で構築する。

 

地域社会発展への貢献

地域社会をはじめとするステークホルダーとの連携およびコミュニケーションを基盤に持続可能な地域社会の発展や社会課題の解決に向けた活動に取り組み、ビジネスを通じて地域経済の活性化に貢献する。

持続的組織運営における重要テーマ

 

製品の質・安全性の担保

すべてのお客さまに安全・安心・フレッシュでさわやかな製品・サービスを提供するために、原材料調達から、製造、物流・輸送、販売・サービスに至るまで、すべての過程において、厳格な品質管理システムおよびプロセスを導入し、安全性の担保、品質の確保および向上に取り組む。       

 

自然災害へのレジリエンス強化

地震・台風等の大規模な自然災害によって、社員や製造・物流・販売業務のための設備、事業所等に被害が発生した場合においてもビジネスへの影響を最小化する安全性・強靭性を兼ね備えたシステム・体制の構築に努める。

 

コーポレート・ガバナンス

経営の健全性を向上させ、企業価値と株主価値の最大化を実現するための強固なコーポレートガバナンス体制の構築・維持に努める。コーポレートガバナンス・コードの趣旨に則り、当社にとって最適な機関設計を追求するとともに、取締役および全社員のスキルセット整備等に取り組み、コーポレートガバナンスのさらなる充実に努める。

 

持続可能なサプライチェーン

原材料・資材の安定的な確保、サプライチェーンにおける環境問題や人権課題への対応、適正な取引・責任ある調達等を通じて、持続可能なサプライチェーンを構築する。    

 

信頼ある商業活動

全ての飲料製品(アルコールを含む)において、法令を遵守した商業活動・責任あるマーケティングを行い、お客さまとの関係を構築する。ステークホルダーに対し、製品の健康・栄養に関する有用かつ十分な情報を、わかりやすいコミュニケーションを通じて提供する。

 

 

(3)サスティナビリティー全般に関するリスク管理

サスティナビリティー全般に関するリスク管理については、「3.事業等のリスク(1)当社のリスクマネジメント体制」に記載しております。

(4)サスティナビリティー全般に関する指標と目標

当社グループは、日本のコカ・コーラシステムの「サスティナビリティーフレームワーク」をベースに、より具体的な非財務目標「CSV Goals」を定め、持続可能な事業と社会、そしてミッションの実現に向けて取り組みを進めております。各項目の達成に向けては、バリューチェーン全体で取り組みを実施、進捗を確認し、着実に目標達成に歩みを進めております。

 

CSV Goalsと達成状況

サステナビリティーフレームワーク

重点課題

項目

目標値

※3

2023
 実績

※4

多様性の尊重

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

女性管理職比率(2025年までに)

10%

7.4%

女性管理職比率(2030年までに)

20%

地域社会

製品
 (ニーズに合わせた製品開発/
 健康サポート)

主要ブランドでのノーカロリー/低カロリー製品のラインナップ

100%

100%

特定保健用食品(トクホ)および機能性表示食品の販売数量増(2016年比)

300%

226%

パッケージ前面でのカロリー表示およびわかりやすい栄養表示

100%

100%

コカ・コーラシステム「責任あるマーケティングポリシー」の遵守

100%

100%

社会
 (地域への社会貢献活動)

社員のボランティア参加率

10%

20.0%

コミュニティプログラム参加人数累計

100万人

97万人

資源

World Without Waste
 (廃棄物ゼロ社会)

サスティナブル素材※1の使用率(2030年までに)

100%

42%

サスティナブル素材※1使用製品の割合(販売本数ベース)(2025年までに)

100%

80%

さらなるPETボトルの軽量化(2004年比)(2030年までに)

35%

30%

販売量と同等の回収量(2030年までに)

100%

94.4%

※2

環境保護団体や業界団体との幅広い連携(2030年までに)

 

水源涵養率。工場近辺の水源、流域に注力

200%

411%

水使用量削減(2030年までに)

30%

20%

気候変動

温室効果ガス削減 スコープ1、2(2030年までに)

50%

20%

温室効果ガス削減 スコープ3(2030年までに)

30%

25%

温室効果ガス排出量実質ゼロ(2050年までに)

 

再生可能エネルギーの推進

 

調達/人権
 (事業基盤の強化)

持続可能な原材料調達

100%

100%

サプライヤー基本原則(Supplier Guiding Principles)の遵守

100%

100%

 

※1「ボトルtoボトル」によるリサイクルPET素材と、植物由来PET素材の合計

※2PETボトル回収率 (出典 :PETボトルリサイクル推進協議会PETボトルリサイクル年次報告書2023」)

※3記載のない限り、基準年は2015年、目標年は2025年

※4気候変動は2022年実績

 

 

(5)TCFD提言に基づく取り組み

当社グループは、気候変動の緩和・適応をマテリアリティの1つと捉え、2030年までにスコープ1, 2において50%、スコープ3において30%の温室効果ガス排出量削減を目指しております(共に2015年比)。また、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロの達成を目指しております。

また、2022年2月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、続けてTCFDコンソーシアム、気候変動イニシアティブにも参加、2023年にはGXリーグに参画し、温室効果ガス削減に向けた取り組みを進めております。

① ガバナンス

気候変動に関連するガバナンスについては、「(1)サスティナビリティー全般に関するガバナンス」に記載しております。

② 戦略

当社グループのリスク分析において、気候変動は重要な課題の1つとして特定されております。気候変動に対してはより詳細な分析が必要と判断し、2022年よりシナリオ分析を実施しております。分析は当社グループの主事業である飲料事業を対象に、1.5/2℃シナリオ、4℃シナリオの2つのシナリオごとに検討し、それに際して前提としたそれぞれの温度帯の世界観、および参照シナリオは下表のとおりです。

 

1.5/2℃

4℃

世界観

気候変動対応が進み、規制等の移行リスクが高まる

脱炭素社会への移行に伴う社会変化が、事業に影響を及ぼす可能性が高い社会

気候変動対応が停滞し、自然災害など物理リスクが高まる

温度上昇等の気候変動が、事業に影響を及ぼす可能性が高い社会

参照シナリオ

IEA:NXE,SDS
IPCC:RCP 1.9, 2.6, 4.5

IEA:STEPS

IPCC:RCP 8.5

 

2023年はシナリオ分析の対象年次を2030年および2050年に拡大、2022年に重要度が低いと判断し、分析の対象外とした項目も対象に含め、定量分析を実施し直し、重要リスク・機会を再特定しました。主なリスク・機会は下記のとおりです。インパクトの開示に際しては、相対的に確度の高い推計ができると捉えたものに対してのみ2030/2050の年次を記載しております。複数シナリオ下におけるリスクを最小化し、機会を最大化していくためにも、今回検討した対応策は、経営戦略、中期経営計画に反映するとともに、年次計画に落とし込むことで気候変動のリスクの低減・機会の最大化を図ります。

 

移行リスク

重要度が高い移行リスク

主なリスク・機会の詳細

インパクト

発現時期

対応策

カーボンプライシング導入によるコスト増

■炭素税導入、および排出量取引制度の強化等によるコスト増加

2030年

2050年

中・長

■リサイクル材の積極採用、軽量化の推進

■サプライヤーにおける炭素税の価格転嫁によるコスト増加

■容器/パッケージ軽量化等による原材料使用量の削減

省エネ・GHG排出などの規制強化によるコスト増

■省エネ・再エネに向けた設備投資等によるコスト増加

中・長

■再生エネルギー導入による外部供給電力への依存減

■代替原材料活用への転換(日本コカ・コーラと連携)

■積載効率、配送ルート見直し、次世代自動車の採用拡大、グリーンガス等への燃料検討

■サプライヤーの生産コスト増加に伴う、調達コストの増加

お客さまの行動変化への対応が不十分な場合の売上低下

■小売店等からの棚落ちや顧客離反による売上高の減少

短・中

■持続可能な調達に則った商品の拡充

■環境に配慮した商品の促進(例:100%リサイクルPET/ラベルレス)

プラスチック関連の規制強化によるコスト増

■リサイクルPET樹脂などの調達コストの増加

中・長

■代替材料活用への転換、リサイクル材の積極活用

■容器軽量化の促進

対応が不十分なことによる投資家・金融機関からの評判低下

■対応が不十分な場合の株価の低下・資金調達コストの増加

短・中

■SBT認定取得やRE100への参画(検討中)

■TCFD・TNFDなどを踏まえた積極的かつ継続的な情報開示・対外発信

 

 

 

物理リスク

重要度が高い物理リスク

主なリスク・機会の詳細

インパクト

発現時期

対応策

異常気象による製造効率・製造数量減少

■水質悪化による品質維持コスト増

中・長

■BCP対応の強化

■病気などのリスク上昇による対応コスト増

異常気象による事業停止

工場などの自社拠点が風水害に起因する操業停止により生じる、復旧・販売逸失の影響

短・中

■製造拠点、営業/物流拠点、およびサプライチェーンにおける風水害リスクの特定、および優先順位付け、対応策の強化

水原材料の希少化

■水価格の高騰による調達コストの増加

中・長

■WURの向上

■渇水による工場の操業停止による対応コスト・販売逸失額

■S&OI対応の強化

原材料の調達リスク

農作物など原材料の調達コストの増加

短・中

■調達先の分散化

■サプライヤーとの協業(農法の開発等)

 

 

機会

重要度が高い機会

主なリスク・機会の詳細

インパクト

発現時期

主な対応策(構想中も含む)

省エネ・GHG削減に寄与する製品へのお客さまの需要増加

■環境に配慮した原材料やパッケージによる売上の増加

中・長

■環境に配慮した商品(例:100%リサイクルPET/ラベルレス/リユース/パッケージレス)の開発・促進

効率的なサプライチェーンによるコストおよびGHG排出量の低減

■再エネ・省エネ設備(施設、ロジスティクスなど)導入による電力コストやGHG排出量の削減

中・長

■最新技術を搭載した製造機器の導入、モニタリングによる製造プロセスや工場設備の継続的な改善

■水使用量の削減によるコスト低減

■水源涵養力向上のさらなる促進

温暖化に伴うお客さまの嗜好変化

■熱中症対策や健康飲料の売上増加

中・長

■熱中症対策や健康飲料商品の開発・展開

 

*インパクトの閾値:高:100億円以上、中:10-100億円、低:10億円未満

③リスク管理

気候変動に関連するリスク管理については、「3.事業等のリスク(1)当社のリスクマネジメント体制」に記載しております。

さらに、リスクマネジメント体制では、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを将来の発生可能性と影響度の観点から抽出し、気候変動を主要なリスクの一つとして捉えております。気候変動に関しては、より詳細な分析が必要と考え、2022年、2023年に気候変動リスク・機会に関してシナリオ分析を行い、その影響度を評価しております。 移行リスク(政策、評判、技術、市場)、物理リスク(急性、慢性)、機会(製品およびサービス、市場、エネルギー源、資源効率、レジリエンス)に識別し、発生の可能性、発生時のインパクトを元に優先順位付けを行っております。

④指標と目標

気候変動に関連する指標と目標については、「(4)サスティナビリティー全般に関する指標と目標」に記載しております。

 

(6)人的資本・多様性に関する考え方および取り組み

当社グループでは、当社の掲げるミッション・ビジョン・バリュー(MVV)および中期経営計画「Vision 2028」に基づき「People Strategy(人事戦略)」を策定し、人材価値の最大化を目指しております。People Strategyは「採用」「人材育成」「キャリア」「リワード」の4つの柱とそれを支える「働く環境・制度の整備」から成り立っております。当社グループは日本のボトラー社の経営統合などによってさまざまな価値観をもった人材、文化が共存する企業グループです。こうした強みを最大限に活かすために、社員が働きやすい環境を整備するとともに、当社の持続的な成長の実現に向けた人材育成のための各種施策を立案し実行しております。

 


 

①ガバナンス

人的資本に関するガバナンスについては、定例の役員会議において随時「People Strategy」に基づいた課題と解決策について議論を行ってきました。今後は、「Vision 2028」の達成に向けて人的資本をさらに強化すべく、定例の役員会議の約4分の1の時間、月1回を人的資本の議論に充当します。また、人事データを活用し、主要施策のKPIをモニターするとともに、進捗の課題について議論します。

 

② 戦略

<組織を持続的に成長させるリーダー育成>

人材や価値観の多様化、またビジネス環境が大きく変化していく時代において、経営戦略を柔軟かつスピーディーに実行し、変革を進めることが重要です。そのためには変革を推進していくリーダー(キー人材)の存在が必要不可欠です。「People Strategy」の中核となる「人材育成」「キャリアパス」の施策としてキー人材を確保していくためのパイプラインを構築しております。パイプラインは経営戦略を率先して実行するキー人材と、その後継者候補となる次世代を担うリーダーで構成されております。各世代や役職でキー人材を輩出し続け、パイプラインを強固なものとし、その人材を育成する仕組みとして企業内大学の「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)」を設立し、経営戦略をふまえて変革をリードする人材育成を強化しております。

 

<変革推進のための能力向上の取り組み>

変革をさらに推し進めるべく、組織全体の能力向上にも取り組んでおります。社員の多くが所属する営業・物流・製造の部門向けにキャリアパスを明確化した「キャリアジャーニー」プログラムを実施し、自らがキャリアプランを意識し、成長を実感できる機会の創出に取り組んでおります。また、それぞれのキャリアプラン実現に向けた能力を見出すために、さまざまな内容を多様な方法で学べる自己啓発支援プログラム「ナレッジモール」を提供し、社員一人ひとりが主体的に学ぶ文化の醸成を図っております。加えて、「Vision 2028」の達成に向けた組織変革に必要なデジタルなどの必要なスキル向上のための取り組みも重点的に実施してまいります。

<パフォーマンスを軸にした仕組みの強化>

持続可能な組織の成長を目指し、個人の能力をより高めることで、個人の集合体としての組織力を強化すべく、よりパフォーマンスを軸にした育成・キャリア構築を加速させます。当社グループでは、社員が短期・中期で目指す自身のキャリアプランと、その実現に向けた能力開発のアクションプランを自ら考え、上司との面談を通して設定する制度を設けております。今後は、同制度をより個々の社員のパフォーマンス向上と結び付けるとともに、上司・部下の定期的な1on1による個人の成長促進、職務内容に応じたトレーニングの提供など、社員の自律的成長を支える環境を整えてまいります。

<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン>

当社グループは、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下「DE&I」)の推進を持続的社会の実現に向けたマテリアリティのひとつと位置付けております。環境やお客さま、お得意さまの多様なニーズに対応し、当社グループが持続的に成長していくために、多様性を重視し、さまざまなバックグラウンドや価値観を持つ社員一人ひとりが学ぶ向上心を忘れず能力を発揮できる職場環境を構築しております。

マネジメント体制については、国籍、性別、年齢や経歴など多様性を重視して構成しており、様々な角度から課題を捉え議論し、意思決定を行うなど、ダイバーシティ経営の実現に努めております。障がいのある人材の活躍に向けては、2019年に設立した特例子会社を中心に、社員がそれぞれの障がいに合わせた特性や能力を発揮できる就業環境を提供しております。また、DE&Iの全社施策を促進するために、人事総務部門に専任組織を設置し、企画・推進をリードしております。

その結果として、「女性管理職比率」「男女賃金格差」「男性育休取得率」「障がい者雇用率」が改善され、性別等に関係なく皆が働きたいと思え、より多様な働き方を実現できる環境がこれまで以上に整えられることを目指してまいります。

<社員のウェルビーイングの向上>

当社グループは、社員が各自の生活やワーキングスタイルに応じた働き方を選択し、持てる力を十分に発揮して働けるような制度や仕組みを設けております。柔軟な働き方の実現のため在宅勤務、サテライトオフィス勤務を推進するほか、営業部門はできる限りリモートでの商談や直行直帰を実施するなど、働きやすい制度を整備することにより、ワークライフバランスの実現に努めております。また、社員の健康保持・増進を重要な経営課題のひとつと捉え、「健康第一」の企業風土を醸成しております。運動、禁煙、睡眠、食事、メンタル、この5つの分野の改善に向けた「Sawayakaチャレンジ」というプログラムを提供し、社員自らが健康増進について考え具体的なアクションを起こす契機の提供・アクションの習慣化を図っております。このように社員の働きやすさ・健康安全を考慮した環境を提供することで、一人一人のウェルビーイング向上を目指していきます。

 

③リスク管理

人的資本に関連するリスク管理については、「3.事業等のリスク(1)当社のリスクマネジメント体制」に記載しております。

 

④指標および目標 

項目

2023年実績

目標

障がい者雇用率 ※2

2.42%

(法定雇用率2.3%)

3.0%

(2025年)

女性管理職比率

7.4%

20.0%

(2030年)

男性育児休業取得率

83.3%

100.0%

(2025年)

 

(注釈)

※1 表示数値は、第1企業の状況5.従業員の状況にある「(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性の育児休業等取得率および男女の賃金の格差」の「※1」に対応して算出しております。

※2 2023年に公共職業安定所長宛に提出した「障害者雇用状況報告書」(2023年6月1日時点)の数値を記載しております。